期間工(ライン工)はきつくて地獄って本当?何がつらいの?

ネットの書き込みでよく言われていることに「期間工(ライン工)の仕事はきつい」ということがあります。確かに楽ではなさそうですが、本当にそれほどきついのか実はそれほどでもないのかなど、気になります。

きついとすればどんなところがきつい理由なのか、その理由はほんとうにネットの書き込みほどきついのか。それに期間工(ライン工)の仕事のすべてがきついのか、それとも配属されるラインによっても違いがあるのかなど、ここでは気になる情報を解説していきます。

期間工(ライン工)がきついと言われる理由

ではなぜ期間工(ライン工)の仕事はきついといわれるのか、ということを考えていきます。その理由ですが、ザックリと3つに分けることができます。

1つは準肉体労働、しかもフルタイムで、ということが挙げられます。この場合のフルタイムとは、勤務時間中すべての時間という意味です。準肉体労働とは、完全なガテン系ではないという意味だと考えてください。

2つ目は不規則な交替制の勤務になることです。交替制の中で1番多いのが2交替制で、普通は一週間ごとに昼勤と夜勤を繰り返します。慣れるまでの間、体調管理が難しいことがきつい理由として挙げられます。

最後の3つ目ですがライン作業は慣れるまではきついということがあります。これは体がきついこともありますが、流れて行くラインのスピードに慣れるまではきつい、という理解をしてください。

ただよくあるネットの書き込みのように「地獄のようなきつさ」ということはありません。あれは少し大げさに書かれていると思ったほうが現実的です。そうでなければ期間工(ライン工)の仕事に就いている人は、全員がプロレスラーやアメフト、ラグビーの選手のような人たちになってしまいます。

でも、実際に期間工(ライン工)をやっている人は、普通の人たちなので心配は要りません。慣れてしまえばかえって働きやすいという事実もあります。

ラインによって異なる仕事内容

一口に期間工(ライン工)といっても、配属されるラインによって、仕事内容も仕事のハードさにも少しずつ違いがあります。

代表的なラインの仕事の内容と、仕事のどんなところがどの程度きついのかも併せて解説していきます。

組み立てライン

組み立てラインの仕事内容は、業種によって違います。例えば精密機械や機械の組み立てなどの場合、ベルトコンベアーに乗って流れてくるものに対して、指定された作業をしていきます。部品を組付けたりする仕事です。

体は案外楽で、業種によっては女性期間工(ライン工)が就業していることもあります。

自動車工場の場合だと、ベルトコンベアーではなく専用の機械に運ばれてくるボディーに対して、足回りの部品や内装品を組み付けて行きます。体を使うので、少しハードな部類に入ります。

どちらも単純作業なので、ラインのスピードに慣れてしまえば難しさはありません。ただ、きつい理由として勤務時間中は同じ作業を繰り返すため、単調で、同じ姿勢を保ったまま作業をすることが少々きついという人もいます。

自動車工場のばあいは、シートやダッシュボードなどの重量物を取り付ける時の最後の位置決めの時に、少々力を使うことがきついという人もいます。

どちらの場合も1ヶ月弱で体も精神も慣れるので、「地獄のように」ということはないので、心配は要りません。

検査ライン

検査ラインの仕事は、文字通りに製品の最終チェックをすることです。

機械製品の組み立てなどでは、途中でパーツごとに機械を使ったチェックや目視チェックなどがあって、さらに組み立てが終わった製品を綿密にチェックする仕事などがあります。

検査は基本的に2通りで、1つは機械検査といって専用の検査マシーンを使って行う検査です。期間工(ライン工)は、いわゆるマシーンオペレーター的な仕事になります。

もう1つは目視検査です。これは単純に肉眼によって行う検査と、電子部品のマイクロチップのようなものに対しては顕微鏡を使った検査もあります。

自動車工場の検査ラインは、チェック項目が数百あります。検査員資格を持った人しかできないような仕事もあるし、期間工(ライン工)でも可能な仕事もあります。

完成車のチェックは車検のようなことをするのでゼロ回目の車検という感じですが、そういった法的な項目以外にも品質に関わるチェック項目があります。

例えば車体に傷や凹みがついていないかとか、塗面にごみが入っていないかなど、かなり神経を使う仕事があります。このような法的な部分に関わりのない仕事を期間工(ライン工)が受け持ちます。

検査の仕事は肉体的な負担は少なくなりますが、神経を使う仕事なのでかなり緊張を強いられます。特に目を使う率が高くなるので、肩凝りになりやすいことがきついことになります。ドライアイにも注意が必要です。

機械オペレーターのライン

機械オペレーターとは、製品を製造する機械の操作をして製品、あるいは部品を作る仕事です。機械オペレーターの仕事は大別すると4項目で、内容は以下の通りです。

  • 部品(材料)を集めてマシーンに投入
  • 製造マシーンを作動させる
  • マシーンの作動状態をチェックして、異常があれば正常に戻す
  • 出来上がった製品のチェックをしてから運び出す

この他にマシーンのメンテナンスや周囲の清掃を要求されることも多いですね。

機械操作自体はきついということはありませんが、出来上がった部品や製品を運ぶときにきついこともあります。1個ずつの大きさや重さはたいしたことはないけれど数がまとまると重いとか、1個ずつが大きくて重い場合もあります。

それと、作っている製品の材料が液体や大量の粉の場合だとマシーンに投入すること自体、かなり筋力を要求されることもあります。

多少きついといっても1ヶ月もしないうちに体が慣れるので、心配するほどではありません。安心してください。

自動車工場のプレスライン

プレスラインではコイル状に巻いた鉄板を、トランクリッドやルーフ、ボンネットやドアなど、必要なサイズに機械でカットしてから、機械でプレス機にセットして1,000tから5,000t以上の圧力でそれぞれのパーツの形にプレスしていきます。

つまり期間工(ライン工)がやる仕事はあまりありないので、体は思ったよりも楽です。ただ、プレス機の発する轟音と振動は、常に体に響き渡ります。これ、結構きついといいます。

それと、結構室温が高くなることもありますがすぐに慣れます。

自動車工場の溶接ライン

溶接ラインとはプレスで作ったパーツを、溶接ロボットを使ってつなぎ合わせていく部署です。期間工(ライン工)はプレスで作られたドアなどの部品が、きちんとロボットにセットされるように微調整をしていきます。

この時に結構筋力を要求されるので、そこがきついといえばきついことになります。

あと、プレスの時にオイルを鉄板の上に塗布するケースもあるので、これが溶接の熱でかなり臭うことがあるので、ちょっときつい理由になります。これもほとんどの人はすぐに慣れるので、心配は要りません。

自動車工場の塗装ライン

自動車工場の塗装は基本的に4段階に分かれています。その工程は以下の通りです。

  • 電着塗装(防錆)
  • シーラー塗装(鉄板の継ぎ目をふさいで、ホコリや水の侵入を防ぐ)
  • 本塗装(3度塗りによってメイクアップ完了)
  • 塗装検査(塗膜にゴミなどが入っていないか、ムラがないかの検査と修正)

このほとんどをロボットがやってくれますが、シーラー塗装や、ロボットアームが入り切らない部分を期間工(ライン工)が手作業で補助していきます。

同じ姿勢で作業をすることや、塗料の溶剤の臭いがマスクを通して若干感じることがきつい要因になっています。それと、ほとんどのメーカーでは防護服状の作業着を着るので、暑いですね。

これも、人によって期間は違いますが長くはかからないで慣れることができます。

自動車工場のエンジン製造ライン

エンジン製造の工程は大別して4工程になっています。その工程は以下の通りです。

  • 鋳造及び鍛造(エンジンブロックやシリンダーヘッド、コンロッド、カムシャフトなどを作る)
  • 機械加工(作られた部品のバリを取ったり、所定の位置に穴を開ける)
  • 組み立て(出来上がった部品に別の部品を組み込んで完成品のエンジンにしていく)
  • 性能テスト(ベンチにセットして所定の性能が出ているかどうかチェック)

この中できついのは鋳造及び鍛造です。仕事自体はロボットがやってくれますが、高温の溶けた金属が作業場をいつも通過するので、室温は相当高くなります。冬でも熱中症には注意が必要なこともあります。

とは言え、スポドリと塩飴があれば大丈夫ですから、心配するほどハードではないといいます。

業種によってラインの仕事は多岐に亘ります。

例えば化粧品工場では出来上がった製品にシールを貼るとか、製品を箱詰めにしたものにもシールを貼って、仕分けをするなどの細かい仕事があります。

シール貼りなどは、手作業よりも機械作業が多いので、失敗を心配する必要はありません。

更にそれら製品の入った箱をフォークリフトで搬出できるように、パレットといわれている木の台に積み上げる仕事などもあります。この作業が少しきついようですね。

また製造マシーンのメンテナンスなども男性期間工(ライン工)が受け持つことが多いようです。

季節によって異なる忙しさ

自動車工場などの製造工場が忙しくなる時期ですが、販売側企業の決算期や中間決算の時期が多くなっています。

年間販売予算達成のために、営業マンも自分のノルマを達成しなくてはならないので追い込みをかけるからです。そのため多くの企業の決算期である3月と、中間決算期にあたる9月に販売量が増えます。

消費者側にもこの時期は購買意欲が高まる理由があります。自動車でいえば企業の例として、トラックやバスを新車に入れ替えることがあります。営業用車両や役員車を新車にするなどの時期になることが多いからです。

続いてボーナス時期に当たる6月・7月・12月も販売量が増えます。こちらは個人消費者側の理由で、ボーナスが支給されることで購買意欲が高まるからです。

そうなると製造工場は1~2ヶ月前倒しで生産量を増やす傾向があるので、2月・6月・7月・11月あたりの月は繁忙期になるケースが多くなります。

そのため、期間工(ライン工)の募集も「9月末まで入社の方限定で入社祝い金〇〇万円」などという求人が目立つようになります。

他にも自動車の場合などはニューモデルやマイナーチェンジの発表時期が決まっていれば、それに向けてメーカーも販売側も規模の大きい販促活動をするので、販売量が大きく増えるため生産量も増えます。

特に人気車種の場合は、はっきりこの傾向が現れます。

自動車メーカーの工場が生産増になれば、当然部品メーカーの生産量も増えます。

電子部品メーカーや変速機メーカー、燃料噴射装置メーカー、ブーキユニットメーカー、燃料タンクメーカー、タイヤメーカー、バッテリーメーカーなど、自動車の周辺産業メーカーのすべてが繁忙期に入ります。

このような時期は期間工(ライン工)にとって、最大の稼ぎ時です。当然残業や休日出勤も増えるので、体はいつもよりきつくなりますが、収入も相当よくなるので頑張りがいがあります。

志願して残業や休日出勤をすることも可能になるケースもあるので、ガッツリ稼げます。

単純作業

冒頭で期間工の仕事がきつい理由を3つ挙げました。これは代表的な理由で、他にも単純作業の連続をきつい理由に挙げる人もいます。

確かに同じことを勤務中はずーっと続けなくてはいけないし、いくらやっても終わりが見えないから達成感がないため、次第にやる気がなくなっていくことがあります。

でも逆に考えると未経験の仕事にも関わらず、誰でも簡単にこなすことができて、高収入にチャレンジできるのが期間工(ライン工)の単純作業です。何しろ、期間工(ライン工)以外の単純作業では得られない収入を、期間工(ライン工)だったら得られるからです。

何か目標を持って期間工になれば乗り越えられることなので、「単純作業は嫌だし精神的にきつい」と思うよりも「目標達成のための割には楽だ」という感じで受け止めると、案外簡単に乗り越えられます。

人間関係

期間工の特徴として煩わしい人間関係がない、ということが挙げられます。勤務中はひたすら作業に没頭していなくてはいけないので、人間関係がどうのこうのという必要がほとんどないからです。

とはいっても完全に人間関係がなくなるわけではありません。正社員の人から仕事上のことで指示を受けたり、時には注意をされることもあります。

それに食事時間や休憩時間に誰とも接しないでいることも無理ですし、寮での人間関係もあります。そんな中で、やはり嫌な人、自分に合わない人というタイプの人に接しなくてはいけないこともあります。

正社員の人から期間工(ライン工)がパワハラを受ける例は珍しいのですが、期間工(ライン工)同士の人間関係は難しいことがあります。

特にどうでもいいようなことを自慢げに話してマウント取るような人や、夜勤明けに帰寮してから騒ぐ人など、かなり我慢できない人がいることもあります。

こんな時に上手く切り抜けるコツはある程度距離を置くことです。相手のことがある程度わかり、少しは信用してもいいかなって思えるまでは、接触は最低限の挨拶程度にしておくと嫌な思いをしなくても済みます。

それと夜勤明けに帰寮し程度から騒ぐ人も含めて、寮で騒ぐ人のことは寮を管理している人に話して注意してもらうとか、何らかの方法を取ることをおすすめします。

それでもダメでどうしても我慢できない場合は、他の企業の期間工になることも1つの方法でしょう。

辞めたくなった場合の対応方法

せっかく期間工になったけれど、どうしても辞めたくなってしまうことはあります。

辞めたくなる理由は人それぞれです。仕事が自分に合わないとか、思っていたよりもきつすぎるとか、残業や休日出勤が予想していたよりもはるかに少なくて稼げないなど、様々な理由があります。

そんな時はどうしたらいいのかわからないとか、何となく辞めると言いづらいからどうしようとかなど、対処に困ってしまうケースが出てきます。

ここではそんなときの対処方法を考えて、円満に退職できる方法を考えていきます。

まずは上司に相談

期間工(ライン工)といは言っても組織の中の一員であることは、正社員の立場の人たちとまったく同じなので、必ず上司がいます。

辞めたくなった時には嫌になった理由、耐えられなくなった理由をまずは上司に相談することが必要です。

辞めたい理由が現在配置されているラインの仕事内容に合わない、例えばどうしても筋力が仕事内容に追いつかないとか、残業が多すぎて体がついていかないなどだったら、配置換えをしてくれる可能性があるからです。

交替勤務がつらくて体調を崩してしまったなどの場合だったら、昼勤専門のシフトを組んでもらえる可能性だってあります。

1人の期間工を募集して採用、一人前にするためにはかなりの経費が必要なので、期間工が契約更新前に辞めてしまうということがあると、上司としては管理能力を会社から疑われてしまいます。そのため、契約更新前にはなるべく辞めさせたくないという隠れた事情もあるので、話は聞いてくれます。

退職の意志が固い場合でも、しっかり辞める理由を上司に伝えることが必要です。

その結果各企業の退職規定に従えば、退職の拒否はできないのでトラブルにはなりません。トラブルにならなければ、またその企業で働くことも可能ですし、即日退社も可能になります。

そのため、まずは上司に相談するということが最善の方法です。

バックレるのはNG

期間工の辞め方でよく聞く方法に、「バックレる」という方法があります。辞めたくなった時に上司に相談できずに、黙っていなくなることですね。

しかしバックレ退職をしてしまうと、様々なリスクが発生します。バックレ退職は、扱いとしては途中退職になるので、いわゆる「自己都合退職」です。その代表的なリスクは下記のようになります。

ブラックリストに載るリスク

いったんブラックリストに載ってしまうと、同じ系列やグループの企業はその情報を共有します。

例えばトヨタ自動車をバックレ退職すると、グループ企業のアイシンAWやアイシン精機、トヨタ紡織や豊田自動織機などで採用されることはありません。

雇用保険(失業保険)が3ヶ月もらえないリスク

バックレ退職は自己都合退職になるので雇用保険受給資格があっても、退職後すぐにもらうことができません。自己都合退職の場合、3ヶ月間は給付制限があるので、給付金を受け取ることができません。

ある程度の貯金がある人はいいのですが、あまり貯金のない人の場合は退職後すぐに生活ができなくなるという強烈なリスクがあります。

入社祝い金がもらえなくなるリスク

入社してから1週間ぐらいの期間で速攻バックレ退職をしてしまうと、入社祝い金がもらえなくなるリスクがあります。

入社祝い金は早くても入社2週間後が普通で、遅い場合は1ヶ月から2ヶ月後の支給になるケースがあります。

せっかくもらえる高額な入社祝い金を、ちょっと我慢できないからといってバクッレ退職をしてしまうとまったくもらえなくなってしまいます。

こんなことにならないように、バックレ退職はやらないことが重要です。前述のように、とにかく上司に相談することから始めれば、即日円満退職をすることも可能です。

もしどうしても上司に相談できないときには、退職代行サービスを利用することも考えましょう。退職理由の如何にかかわらず、相談から円満退職まで数万円の料金で請け負ってくれます。

まとめ

期間工(ライン工)の仕事は地獄のようにきついのか、何がつらいのかというテーマで進んできました。

その結果として、確かに期間工(ライン工)の仕事は楽ではありませんがネットの中で言われているように、「地獄のようにきつい」というほどではないようです。

どんな仕事でもそうなのですが合わない仕事に就くと、人によっては「地獄のようにきつい」ということになって早々に退職してしまうケースがあります。

それに期間工(ライン工)に限らず、正社員でも工場勤務は楽ではありません。多少とは言え体を使うからです。そんな中でも期間工(ライン工)にとってかなり体への少ない業種はあります。

例えば精密機械工場や電子部品メーカーの工場などがそれです。代表的なのはアイシンAWやアイシン精機、それに村田製作所で、女性期間工(ライン工)が相当数存在することからもそれがわかります。

自分に合った企業を選ぶことで、バックレ退職や契約更新を待たずに自己都合退職するリスクはかなり低下します。

また、自動車工場のように少しきつい仕事内容でも、日々体をケアすることで体力面はカバーできます。筋肉痛対策は入浴をするときに、しっかりストレッチをすることでかなり解消できます。

後、仕事をするときにサポーターをすることも有効です。疲労回復には、しっかり食べてしっかり寝ることが必要ですね。

ちょっと辛いかなと思うのは初めの1ヶ月程度ですから、気づいた時には慣れていて普通の感覚で仕事をして、毎日平気でいられるようになっています。その結果、契約満了まで、あるいはフル満了まで勤務する人が全体の半数以上います。

結論として、「地獄のようにきつい」と感じる人は、期間工(ライン工)の中で半数もいないと思われます。

できるだけ長く働けるように、自分に合った仕事内容の企業を選ぶことと、体が慣れるまでの短期間は日々体のケアをすることで、地獄ではなくなるということですね。